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小中進【発言録】 「上関原発は今」 (1)

原発予定地山口県上関町は今

皆さん このたび 山口県熊毛郡上関町に建設計画のある上関原発に反対して当選いたしました県議会議員の小中進でございます。
上関に原発計画が浮上して以来はや21年が過ぎました。
上関町は瀬戸内最後の楽園といわれ風光明媚でまた漁業資源などの豊富なことは山口県の中で有数の場所でした。
そこに 年前突然に原発計画が起こってきたのです。以来町はこのことで揺れにゆれました。仲のよかった町内の人々は推進派と反対派に分かれ町の選挙では莫大な金がばら撒かれま不要な土木工事で美しかった海岸線は壊されるということが起こってきたのです。
これに対し原発に反対する良識ある有志は近隣の市町村の中から原発に反対する議員連盟などを結成し反対運動を展開してまいりました。
さて最後の「原発新規建設予定地」かと言われる上関町に原子力発電所が建つのか建たないのか、その賛否をめぐり今全国的に注目を浴びているというのが現状でございます。
4月27日の上関町長選挙で推進派の加納簾香氏が当選しました。ところが、加納氏の後援会長である町議会議員が買収で逮捕される事態に発展し、有罪判決を受けました。加納町長は辞意を表明し「出直し選挙」が行われ新しく、町職員であった柏原重海氏が町長に決まりました。
21年間、推進、反対で対立を深めてきた上関町では中国電力の支配下に有り、町は金権腐敗の極み、町予算をはじめ選挙費用、集会費用、町民への日当、旅行費用、飲食費等々町政、6割の町民が金によってがんじがらめになっています。
一方、天下の情勢は、電力の自由化、自然エネルギーの開発、企業の海外移出、'05年よりの人口減、最近やっと公表した原子力発電の電力料金の見直しなどで、国もエネルギー政策では頭の痛いことでしょう。とどめは関西電力、中部電力、北陸電力三社がコストやリスクの増大により珠洲原発断念を決定した事で、原発推進者らは大きな打撃を受け上関町でも推進派議員達の焦りが目に見えるようです。
二十一世紀は、環境の世紀と言われています。現代を生きる私達は何を残してやれるのか、私達が今しっかり認識し倫理観を持って国や県や町へ環境の大切さを働きかけることが大切だと思います。放射性物質の汚染という究極の環境汚染は、上関原発建設の白紙撤回を目指して頑張る以外にないと考えます。頑張ります!!
山口県議会議員  小中 進

小中進【発言録】 「上関原発は今」 (2)

上関が日本最後の新規原発になるのか?

1982年 某国会議員の暗躍によって原発が山口県上関町にもたらされました。その時点ですでに上関町及び周辺の市町の主だった人は買収され、すっかり「夢のエネルギー」のとりこになっていました。
 後になって知った町民は、他の原発に従事した被曝労働者や周辺住民達と共に反対運動を展開しはじめたのです。それが今年で21年目になります。
 上関町の周辺海域は瀬戸内海国立公園にあります。九州と四国の間を通る豊後水道から
流入する黒潮支流が突当たる位置にあり、従って季候は温暖で島々には山口県で唯一亜熱帯性植物が分布しています。原発予定地には新種の貝8種を含め希少種や100年振りに
世界で初めて発見された貝類 ウミウシ類又まぼろしのナメクジウオ等が生息しているところです。
 又周辺の海では瀬戸内海固有の小型鯨スナメリが子育てをし瀬戸内海で最後に残った彼等の安住の海となっています。この海は生物の多様性さながらの自然豊かな最後の場所ということになります。中国電力はこの場所を埋め立て、原発2基(137.3万Kwh×2)を建設しようとしています。詳しいことはEメールで! midori.t@crocus.ocn.ne.jp (長島の自然を守る会)
 さてここに住む住民である私達の運動は、通常のデモや関係機関への申入れのみならず土地、漁業権、中国電力株主の代表訴訟、選挙、裁判、現地の環境保全、生物、植物、海性生物等の調査研究と多岐に亘ります。この様な反対運動の形態はここ上関の反原発団体の特徴であると各方面から評価されていますが私達は「できることは総てやろう」の精神で苦しい中から努力しています。
 一方それに対する原発を国策とする国、行政、事業者中国電力もさる者、あらゆる手段を講じて来ます。山口県議会では53人中(現在)49人の原発推進議員の意向を受け知事は経済産業省の知事意見の問い合わせに Goサインを出しました。県の外郭団体である山口県振興財団は頻繁にテレビコマーシャル、新聞広告、ポスター等推進を標榜します。
 国は諸情勢から原発推進が困難とみるや、使用目的を特定しない交付金の自由使用や支給開始の前倒し、自然エネルギーの買取価格の低料金設定など次々と法を変えてまで原発を手厚く保護します。
 つい最近では炉心部分に当る神社地10ヘクタールを売ることに反対する宮司を神社庁までが異例といわれる解任にふみ切りました。近い将来この土地は中国電力が買う予定です。
 中国電力は地元対策費としてこの20年間に720億円(含む土地買収費)を投入しました。選挙ともなると金が飛び交いそれを警察に訴えても国策に協力する立場だとして全く挙げる気はありませんでした。しかし、とうとう21年目にして4月の町長選の後援会長を、買収による公選法違反で検挙し有罪に持ち込みました。内部告発だったと云われています。決まったばかりの町長は辞職しこの10月5日半年で三回目の選挙が行われます。
 私も中村敦夫代表のご支援を受け4月の統一地方選挙でこの地区の県議になったばかりですが、上関ほど金に汚染されていなかった事もあって幸いにも当選しましたが、上関町に限れば何度選挙をしても推進派が57%、反対派が43%前後と得票率はかわりません。本当に情けなく残念なことと思います。
 原発はすでに時代遅れの巨大な構造物と云えます。それなのに国は国民を欺いてまで、そして貴重な自然を破壊してまで、確立されていない原発を建設したがるのでしょうか。
それは総ての公共事業と同じく官僚の面子と天下り先確保、政治屋の利権あさりと集票マシーンの獲得のために外ならないと推察されます。
 少し目先を変えるとサンサンと降り注ぐ太陽光、常時動く大気の流れ風、地球の7割を占める海水の水素、温度差、潮汐と際限なく地球にやさしい自然エネルギーの元がみえてくるのにです。
 電力会社にとっても・電力の自由化・人口減・自然エネルギーの開発・省エネルギーの意識改革・企業の海外移出等の要素から需要の低迷を迎えることは必至です。原発の初期投資(上関1号機 4,590億円)の多さ、周辺の汚染、危険と隣り合わせ、廃棄物の処理問題、被曝労働者の問題など考え合わせる時、原発にこだわる理由がどこに有るのでしょうか。
 東京の電力の大部分を賄う福島県の佐藤栄佐久知事は、昨年県を挙げて原発の有り様、国のエネルギー政策について検証されています。原発を10基抱える県の重くそして勇気ある発言と云えます。 Eメール energy-g@pref.fukushima.jp
 私達は税金を惜しみなく投入する国及び電力会社へ猛省を促すと共に地球環境を守り、次世代即ち子や孫が安心して暮らせる国を残してやりたいの一心で長年活動しています。
 皆様も原発の文字を見かけたら一旦目を止め考えてみていただけないでしょうか。それが世界の流れ「脱原発」への道だと考えます。
山口県議会議員  小中 進